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不良姿勢には幾つかのパターンが存在するのですが、ここでは日本人に最も多いとされている代表的な不良姿勢「猫背+反り腰」について書きたいと思います。当院に於いてもこのパターンの方が最も多くなっています。
上記イラストで左側の姿勢が理想的とされる立ち姿です。足のくるぶしのやや前方からスタートして膝の中心、大腿骨、肩、耳が同じラインに乗っています。この姿勢が出来ている人は比較的体重が踵(かかと)方向に乗り易く、また顎(あご)を引く事がきちんと出来ていて肩が前に回り込んでいる様な事も有りません。
一方、真ん中と右側のイラストは不良姿勢と呼ばれる状態です。これは壁を使った簡単なテストでも直ぐに分かりますので下記のイラストを参考に早速チェックしてみましょう。
まずは壁に踵をつけて立ちます。(イラストでは離れていますが実際にチェックの際は壁に踵をつけて下さい)そして顎を引いた状態で後頭部を壁に着けます。どうでしょう?顎を引いた状態で後頭部を簡単に壁に着ける事が出来ますか?理想的な姿勢の人なら何て事の無い動作です。ところが猫背の方ですと後頭部を着ける行為がが苦しかったり、顎が上を向いてしまったり(イラスト右側)、更に酷いと後頭部を壁に着ける事さえ出来なくなります(イラスト中央)
後頭部を壁に着けられない最大の要因は首や肩、胸などの筋肉の拘縮です。既に病院で「ストレートネックです」と診断された方(最近は俗称でスマホ首とも言われてますね)は後頭部を壁面に着けるのがかなり困難になるものと思われます。その様な状況は骨格的な変位に加えて筋肉の柔軟性も著しく低下し既に自力では元の状態に戻れなくなっている為、慢性的に頭を突き出した状態で生活しています。街中でもこの様な姿勢で歩いている人を簡単に見つける事が出来ます。
次に「私は後頭部を着ける事が出来たから問題は無いのね!?」そう思った方もまだ安心はしないで下さい。踵と後頭部が壁に着いた状態で顎をしっかり引いて壁と腰骨の隙間に手を入れてみて下さい。手が隙間にピッタリ納まれば合格です。
もし「手を入れると結構な隙間が出来ます」と言った方々は反り腰になっている可能性が有ります。(イラスト右側)
反り腰は「腰痛」が出易くなるのは勿論の事、美容上の問題ですと「下腹がポコッ」と出たり殿部の筋肉も働きにくくなる為、結果的に「出尻」や「垂れ尻」になり易く、下腹とお尻がセットで気になっている方も大勢居ると思います。また「×」マークがついている姿勢ですとどうしても体重が前に掛かり易く下半身の筋肉の柔軟性も失われます。下半身の柔軟性は「基礎代謝」にも大きく影響するを部分ですので「低体温」「手足の冷え」「虚弱体質」「痩せにくい」など様々な健康問題を誘発します。
前かがみの問題に関しては次項の「猫背や反り腰が慢性化してしまう理由」でも少し触れていきます。
次に正しい姿勢をキープする為の重心の位置についてご説明致します。
まず上のイラストをご覧下さい。言わずもがな左側が理想の姿勢です。重心のバランスがしっかり取れているので上から一本の糸で吊っている様な綺麗な立ち姿です。
一方、首や肩凝り、腰痛やポッコリお腹、冷え性などで悩んでいる方の多くが右側の様な姿勢です。頭を突き出し背中が丸くなる事で上半身は前傾気味になります。そのままだと前に倒れてしまうので僅かに膝を曲げて後方にバランスを取る形で姿勢を保っています。
次にこちらの画像をご覧下さい。
赤い点が正しい姿勢を保持する為に体重を乗せるべき重要な場所でオレンジ色のエリアは猫背の人の体重が自然と掛りやすい場所です。
姿勢に問題無い人は顎と肩を引き胸を張り背筋をピンと伸ばし、赤い点の位置に体重が乗る事に加え、自然と踵から着地をして良い姿勢で歩行する事が出来ますが、既に猫背や反り腰で姿勢が悪化していると太ももの前面、胸、腰、後頭部などの特定の筋肉が過度に緊張し、逆に太ももの後面や臀部、上背やお腹、顎下(フェイスライン)などの筋肉はあまり仕事をしない為、正しい姿勢で歩く事が困難になるばかりか腹筋や背筋などが刺激されない為、身体の弛みが顕著になります。街を歩く肥満体型の人に姿勢や歩き方が美しい人が居ない事を想像して頂ければ何となくご理解頂けると思います。
普段から正しい姿勢や歩き方がキープ出来ている人は代謝も良く全身の筋肉がバランス良く使われるの事で関節への負担も少なくなるばかりかスリムな体型がキープし易くなります。年齢を重ねても尚良いスタイルをキープ出来る人と哀しき中年体型になっていく人との大きな差です。
猫背や反り腰が強くなっている状態で赤い点を意識しても骨格矯正が行われていない段階では下半身共々一気に後方に重心が移動してしまう為、本人としても後ろにひっくり返ってしまう様な感覚になり、到底正しい姿勢とは言えない状況になります。(下部イラスト参照)
姿勢矯正に於いて生活習慣の意識改革や歩き方の習得と共に骨格矯正の併用が重要になります。
猫背+反り腰を慢性化させた期間が長い人ほど改善の為の骨格矯正は勿論、日々のストレッチや筋力強化、そして何より本人の強い意識改革も重要になります。
このコーナーの最後は正しい姿勢の取り方を簡単に覚えられる一例ご紹介しましょう。
ご覧の膝立ちのポーズを知らない方はいないと思います。子供がやりそうなポーズですね。このポーズは膝の中心〜大腿骨頭〜肩〜耳と理想のラインでの理想の姿勢バランスが取り易く、膝から上はこの感覚を覚えたまま、先ほどの足裏の赤い点の位置を意識して立ち上がるとそのまま理想の立ち姿になります。ただ猫背や反り腰の傾向が強いとそれでも後方に倒れそうな感覚に陥る場合が有ります。それだけ猫背や反り腰の影響力は大きく、整体やカイロプラクティックによる矯正と併せて生活習慣の意識変化や小まめなストレッチなど状況を慢性化させた分だけ根気が必要なのもまた事実です。
(通常筋肉は姿勢に対する意識の変化から実際に筋肉(筋繊維)が太くなるまで3ヶ月〜6ヶ月は要するとされています)