院長の私が現在の仕事に従事しようと決定付ける要因になったのが小学校高学年の時期に悩まされた酷い片頭痛でした。まずは当時の体験談からご覧下さい。
目次
院長の片頭痛体験
私が小学校5~6年生の時期に突如原因不明の片頭痛に襲われる時期が有り、その強烈な痛みは子供ながらに余りの痛みに自然と涙が溢れてしまう状況で、症状が出ている間は授業の内容も全く頭に入って来ない状況でした。
そこで担任の先生に頭痛を理由に早退を申し出ても「熱も無いのに本当に頭が痛いの?」と痛みの辛さを理解をしてもらえないばかりか方々の病院に行っても「検査上は特に問題無いですね・・」と言われ続け、良いと聞けば鍼やマッサージなどの治療も受けてみましたが思う様な改善は得られませんでした。
そんな心身共に辛い状況が続いていた折、両親が知人づてに腕が良いと評判の整体の先生を紹介されたらしく「上手な先生が居るらしいから一度診てもらおう」とその整体院を訪れる事になりました。
ちなみに整体院と言っても自宅も兼ねた外見は普通の一軒家(目立つ看板も有りません)の一部屋を施術部屋とし、人体図や経絡(ツボ)のポスターが貼られている部屋の中央にせんべい布団が1枚敷いてあるだけと言う簡素な作りでした。子供心に意表を突かれた記憶が残っています。
先生は首の辺りを触診すると私を布団に寝かせて腰や背中、首などをボキボキと鳴らし始めました。最初は自分の身体で何が起きているのか状況が分からず、そうこうしている内に程なく先生の施術は終わりました。
先生は「大丈夫。3日続けて来てくれれば良くなりますよ」とおっしゃるので、言われるがままに3日続けて通った所、あれほど辛かった片頭痛が嘘の様に無くなってしまったのです。(※)
大人になってから両親に聞いた話によると先生に診てもらう前は常に目を頻繁にパチパチさせていたのが、初回の施術を終えた後から無くなったのは良く覚えてるとの事でした。
また当時先生から「首を悪くするから横になって頭に手を当ててTVを見たりしないでね」と言われ、それは今でも頑なに守っています。
小学生の私にとっては本当に辛い頭痛でしたが、先生の施術により以降の生活は大きく一片し、その事で「今度は自分が誰かの人生を良い方向に変えてあげられる仕事がしたい」と考える様になり最終的に現在の形に落ち着きました。
(※注)当院の考えでは3日続けて施術は身体に対する刺激量(負担)が強いと考えています。故に数日間の連続した施術は行っていません。
当院に於ける頭痛に対する考え方
続きまして当院に於ける頭痛に関する関連情報と基本的な考え方です。
当院で対応可能な主な頭痛
•緊張性頭痛(後頭部や頭部全体が締め付けられる様な頭痛)
•群発性頭痛(目の奥がズキズキするタイプの頭痛)
•片頭痛(側頭部周辺の頭痛)
•生理に伴う頭痛(女性ホルモンに影響される頭痛)
•天候に影響される頭痛(気圧や湿度の変化に伴う頭痛)
•顎関節周辺の緊張に伴う頭痛(ストレス、噛み癖など)
引き続き上記頭痛の解説をさせて頂きます。
緊張性頭痛
過度な筋肉の凝りに伴うとされる頭痛の代表格です。現代人に多い頭を突き出してのパソコン操作や頭を垂れてのスマートフォン操作などで頚部や後頭部周辺がガチガチになっている方に頻発します。
不良姿勢により血行が悪くなる事で首や肩、背中を中心に上半身の筋肉が凝り始め、血行不良から頭痛へと発展します。ギューっと締め付けられる様な痛みが後頭部や側頭部を中心に拡がるのが緊張性頭痛の特徴の一つです。
血流の悪さに影響されるので身体を温めたり筋肉の緊張を解く事で緩和します。
緊張性頭痛は姿勢や生活習慣に影響され易い頭痛ですから、正しい姿勢を意識する事に加えて日常的に気をつけるべき生活習慣を覚える事も施術同様重要になります。当院ではそう言った指導も随時行っています。
群発性頭痛
群発性頭痛は一般的な頭痛の中でも特に痛みが強いとされ、主に目の奥がズキズキと脈打つ様な感じで痛みが出ます。症状が出ない時期はしばらく大丈夫なのですが一度出始めると短期間に頻発して痛みが出るのも特徴の一つです。
ちなみに目の奥に血液を送っているのは眼動脈と言う細い動脈で上記説明画像に有った頸動脈を源とする内頚動脈から分岐しています。
当院では内頚動脈の血流が頚椎の変位や周辺の筋肉の凝り、精神的ストレス、自律神経の乱れや血圧や気圧の変化で不安定になる事で発生しているのでは?!と考えています。
その為大半の人は首周辺の筋肉の緊張を緩め頚椎のバランスを整えてあげる事で症状が和らぎます。当院に到着した段階では痛みが有った方々も施術が終わる頃には痛みが引いている事は多々有ります。
片頭痛(偏頭痛)
群発型頭痛の様に一定の時期に集中して出る訳ではなく、発生のスパンは不定期とされており、頭の半分にズキズキとした強い痛みを伴いますが両側に出る事も有ります。
こちらも群発性頭痛同様に物事に集中するのが困難なほどズキズキと脈打つ様な痛みが続きます。また活動的に動き回ったり強い日差しを受けるなどすると余計に痛みが増幅してしまうので要注意です。また光の眩しさが辛く感じる事も有ります。
当院の施術室の照明を間接照明の優しい明るさにしている理由は、こう言った症状やパニック障害をお持ちの方へ対する配慮によるものです。
片頭痛に関しても頸動脈や椎骨動脈の流れが側頭部周辺の痛みに大きく影響を与えているのでは?と考えています。頸椎の配列を必ずチェックし不整列が認められれば他の頭痛同様矯正をすると共に肩甲骨や鎖骨周辺の矯正も重要になります。
今思うと私(院長)が子供の頃に経験した酷い頭痛は群発型頭痛と片頭痛の両方でした。
あの痛みの辛さは実際に経験した人でないと中々理解出来ないと思います。
生理に伴う頭痛
女性の身体は卵巣から分泌される、エストロゲン(卵胞ホルモンとも呼ばれ主に卵子を育てる働き)とプロゲステロン(黄体ホルモンとも呼ばれ妊娠や出産に関与)と言う2つの女性ホルモンが各々必要に応じてバランスを取り合い身体の恒常性を保っています。
2つのホルモンの分泌を指示しているのが脳内の視床下部や脳下垂体と呼ばれる部分で、血液中に含まれる女性ホルモンの量を常にチェックし、必要に応じた命令を卵巣に出してホルモン分泌に関与しています。
生理前~生理中はエストロゲンの濃度が少なくなり、その事で急激に血管が拡張し易くなり、生理に伴った頭痛に影響を与えるとされています。
また一般的に言われる生理痛は生理に伴って不要になった子宮内膜が剥がれ落ちる際に(これにより出血)身体の組織がダメージを受けた時に生成される物質、プロスタグランジン(ホルモンの様な役割を果たす生理活動物質で炎症や痛みに関与)が子宮内膜から分泌され、その分泌量が多過ぎる事が頭痛や腰痛、下腹部痛などに繋がるとされています。
カイロプラクティック的観点からは生理痛の場合は仙骨の矯正が重要視されていますが、当院に於いて生理に伴う頭痛で悩んでいた方の多くは頚椎や頭蓋骨矯正をする事で悩みから解放されています。
頚椎や頭蓋骨の矯正は脳へ向かう血液の流れがスムーズにし、視床下部を支える蝶形骨(頭蓋骨の一部)の傾きが補正される事でホルモン指示系統が本来の働きが取り戻し易くなるのではと当院では考えています。
また頭蓋骨矯正には自律神経や自己免疫系の働きを安定させる作用が有るともされています。
気圧の変化に伴う頭痛
気圧の変化による体調不良を訴える方も多いです。雨の前日は頭が痛くなる、年配の方ですと膝が痛くなるなど痛みの種類も人それぞれです。
気圧と体調不良に関連した最新の研究データによると、低気圧の接近により人間の身体も僅かながら膨張するそうです。そして血管や神経が圧迫される事で様々な体調不良に繋がっているとされています。
YouTube内の動画に台風接近に伴うポテトチップスの袋の変化を定点カメラで撮影した物が公開されています。
平地に於ける人体でもポテトチップスの袋同様の事が起きているとされています。
また低気圧の接近は上昇気流の影響で標高の高い山に登った時の様に血液中の酸素濃度が薄くなり、その事が頭痛を始めとする様々な不調の要因になるとされています。
不良姿勢由来の骨格的な歪みとそれに伴う浅い呼吸は効率良く血液(酸素)を送る上で大きな支障となり、結果として気圧の変化を受け易い体質になります。
当院では気圧の変化に伴う様々な健康問題(気象病・天気痛などとも呼ばれます)にも整体術やカイロプラクティック術などでの骨格矯正も有用なのではと考えています。
顎関節周辺の緊張に伴う頭痛
噛み合わせや歯ぎしり、噛み癖、食いしばりなどの問題が有っても頭蓋骨が歪みます。特に側頭筋と呼ばれる側頭骨(耳たぶが付着している骨)と下顎骨(下顎の骨)に付着している食物を噛む際に重要な役割を果たす筋肉が過度に拘縮する事により頭蓋骨が広範囲で歪んでしまい、それに起因した頭痛だけでなく自律神経の乱れや女性ホルモンの分泌の問題、顎の痛み、眼精疲労や顔面神経痛、耳鳴り、目まい、首や肩凝りなど様々な問題を誘発します。
口腔内に於ける問題は整体、カイロプラクティックの範疇にはなりませんので事前にかかりつけの歯科医院で噛み合わせに問題が無い事を確認しておいて下さい。
頭痛は脳梗塞や脳腫瘍など大きな疾病に起因している場合も有ります。まずは病院を受診して脳に異常が無い事を確認して下さい。また糖尿病や高血圧などにより動脈硬化が進行している場合は血流の変化に伴う脳内出血のリスクが有る為施術が出来ません。ご注意下さい。(利用規約参照)
なぜ頭痛は起きてしまうのか?
頭部には左右2本ずつ計4本の太い動脈が頚部を通り多くの血液を送っています。総頸動脈(途中で外頸動脈と内頸動脈に分岐)と椎骨動脈です。(画像参照)
これら動脈の流れに対して不良姿勢や悪しき生活習慣から骨や関節の不整列が起き、加えて周辺の筋肉も過剰に緊張したり気候的な要因、ストレスなどが影響する事で本ページで対象としている頭痛が発生しているものと考えられます。
首の凝りや頭痛は薬の服用で一時的には和らぎますが頚椎(首)や頭蓋骨、肩甲骨や鎖骨周辺の骨や関節の不整列には何ら影響しない為、頭痛を慢性的に抱えている方ですと骨格矯正が必要不可欠となります。
ところが頚椎の変位を的確に判定し矯正方向に操作出来る先生の実数が少ない事も頭痛に悩む方達が一向に減らない要因になっているのではないかと思います。
当院で皆様への説明にも使用している模型で椎骨動脈の走行をご覧下さい。画像に写っている赤い血管が椎骨動脈です。この様に首の骨の中を縫って進みます。
最上部の頚椎を出た椎骨動脈は脳底動脈と名称を変えて小脳や内耳方面に血液を送ります。(そちらの方で問題が生じると平衡感覚や手足の動作に問題が発生します)そして最終的には脳内で内頸動脈や眼動脈との繋がりが生じます。
椎骨動脈は画像の様に横突孔と呼ばれる頚椎の左右に開いた穴の中を進みますので頚椎の不整列が悪い影響を与えやすいと言う事が何となくご理解頂けますでしょうか?
当院ではこう言った頚椎の不整列を一つ一つ確認し、矯正の必要が有る頚椎のみカイロプラクティックの理論を応用した当院独自の手技により矯正をさせて頂きます。(施術前後の変化は皆様実感し易い様です)
頭痛持ちの方ですと頚椎周辺にゴリゴリとした圧痛を伴うシコリの様な物が高い頻度で存在します。(頚椎のバランスに問題が無ければ圧痛を伴うシコリは認められません)この辺りも頚椎変位の有無を知る手段の一つかと思います。
ちなみに頚椎の不整列は首を揉んだり擦ったりストレッチしたりでは矯正されません。
矯正方向を一切無視し首周辺をやみくもに揉む行為は症状を悪化させる恐れさえ有る大変危険な行為です。絶対にやってはいけません。
頚椎の変位に影響を与える要因・習慣(一例)
頚椎の変位(ズレ)が強くなる事で頭痛や肩凝りは勿論のこと、自律神経やホルモンバランスの乱れ、眼精疲労や耳鳴り、目まい、睡眠障害など様々な健康問題の温床になります。次は頚椎を変位させる要因になる要因や習慣を見ていきましょう。
•パソコンを使用中、モニターに集中するあまり頭が前方に突出してしまう。
•スマホを操作する際に毎回直下を見る状態で操作してしまう。
•事故や転倒などで過去に首を傷めた事が有る。
•親子共々姿勢が悪い。(親の不良姿勢も子供に遺伝します)
•極端に右手・右足・右顎(もしくは左手・左足・左顎)に頼った生活習慣。
•野球やゴルフ、頻繁に草刈り機を使用する業務など身体を捻るスポーツや仕事、格闘技やラグビー、サッカーなどボディコンタクトの激しいスポーツ、テニスや自転車競技など前傾姿勢を強いられるスポーツを続けている。
•就寝中の歯ぎしりや食いしばり。
•「ほおづえ」をつく癖が有る。
•顎を圧迫する形で寝る事が多い。
•ソファの肘掛けに頭を乗せて首を傾けて寝る習慣が有る。
•椅子に座ると足を組む癖が有る。
•過去に整形外科で頸椎の牽引を繰り返していた。
•自身が自然分娩で産まれた際に難産だったと母親から聞いている。(難産だった場合、産道を通る際に頚椎が変位する事が有るとされています)
•幼少期に頭突きをする癖が有った。(特に男の子)
•上や下を向いたままだったり前傾姿勢で作業を続けなければならない労働環境。
•仕事中、耳と肩に受話器を挟んで電話をする癖が有る。
頭痛の引き金(一例)
上記の様な要因で頚椎の変位が発生し頭痛のリスクは高まりますが、それらに加えて下記の要因もプラスされる事で更に頭痛発症のリスクが高くなります。
•肉体的疲労の蓄積
•精神的疲労の蓄積
•カフェインの過剰摂取
•慢性的な睡眠不足
•飲酒
•夏の強い日差し。(高温)
•生理や更年期による女性ホルモンの乱れ。
•低気圧
•寝過ぎ
頚部や頭蓋骨の変位に伴う頭痛以外の健康問題
頚椎の変位は頭痛と併せて下記の問題も併発する事が有ります。
•首や肩の凝り
•眼精疲労やドライアイ
•自律神経の乱れ(内臓の不調など)
•気象病(天気痛)
•ホルモンバランスの乱れ(更年期障害、婦人病)
•ドライマウス、鼻詰まり
•顎関節症
•気分の落ち込み、集中力の欠如
•睡眠障害
•耳鳴り、目まい
他多数
利き腕・利き足の影響を受けやすい部位
頭痛に影響を与えてしまう頚椎の変位に影響を与える要因の一つとして利き腕、利き足、利き顎の酷使を挙げました。
ここでは一般的に多い「利き足も利き腕も利き顎も右」の人を例に挙げ、それにより影響を受け易い部位を具体的に話したいと思います。
補足:右利きの人全てがこれから解説する通りになるとは限りません。生活習慣での癖や趣味、仕事の内容などでも差異が生じます。あくまで一般的な傾向として捉えて下さい。
利き腕も利き足も右の場合、必然的に右手右足が頻繁に前に出る関係で右下肢(右足)や右骨盤は前方や上方に変位し易くなり、右肩や右腕も前方及び下方に変位し易くなります。
また野球やゴルフの右打者の様な捻る動作や机の上の物を右手で取る動作をする時など身体が捻られる動作で右の股関節は外側に開きます。(股関節の歪みが強い右利きの人は靴を履いても右足の方が左足に比べて外側が減りやすくなります)その状況ですと概ね下記の様な状況で筋肉の硬さが展開されます。
全身正面
多少の個人差は生じますが人体図の斜線部分と●印周辺の部位が特に影響を受け易い箇所です。
具体的には右大腿前面と外側面、右の脇腹~腋窩、右腹部~右胸部~右前頸部(首)~右顔面、右肩~右上腕二頭筋(力こぶの筋肉)、左の小胸筋付近と腸腰筋、内腿(内転筋群)辺りの拘縮が強くなります。
また右小胸筋が右肩を前方に引っ張り、左広背筋が左肩を後方から前方に押し出す形で「巻き肩」の状況を作ります。巻き肩の傾向が強いと胸の丸印辺りの拘縮が強くなります。
左の腸骨筋は同側のハムストリングス(太腿裏側の筋肉)の硬さの影響を受け易いと言われる筋肉で、そけい部の筋肉ですが脊柱起立筋と呼ばれる背骨と併行して縦に走る筋肉を硬くすると言われています。また腸骨筋と大腰筋は連動して動きますので左腸骨筋の柔軟性が失われると左大腰筋も次第に柔軟性が無くなります。
実際この辺りは日常的に痛みを感じていなくてもトリガーポイント治療で左の腸骨筋に想定外の圧痛を感じる方が多いです。
全身後面
身体の後面は前面とは真逆で左側を中心に筋肉の拘縮が展開されます。これは利き足が右になる事で左足は軸足をしての作用が強くなり、自ずと足を後ろに導く動作に長ける為です。
左下腿三頭筋(ふくらはぎ)~左ハムストリングス(左腿裏)、左内転筋群(内腿)~左大臀筋~左脊柱起立筋(仙骨~後頭骨に掛けての筋肉)、左広背筋、左上腕三頭筋(二の腕)の拘縮が強くなります。また左広背筋の過度な緊張は左肩を後ろから前に押し出します。
右手が頻繁に前に出る動作に伴い右股関節を外側に導く臀部の筋肉が拘縮し、慢性的な不良姿勢や右頚部~胸部に掛けての筋肉の凝りによって右の頭部から首~肩~肩甲骨周辺なども影響を受けます。
また背骨は脚力や腕力の弱い方に逃げるので左側の方に背骨が寄る(左側弯の)人が多い傾向に有ります。この場合、頭を回して左側から後ろを向くよりも右側に頭を回して後ろを向く方が動作としてはキツくなります。
頭部前面
頭部周辺の状況はこの様になります。
前面から側面に掛けての筋肉は比較的右側に影響が出易くなります。頚部前面及び側面(広頸筋、胸鎖乳突筋、斜角筋)顎周辺(咬筋)、小鼻、頬、耳たぶ、こめかみ及び側頭部(側頭筋)、額(前頭筋)、頭頂部などです。
胸鎖乳突筋や斜角筋の拘縮は付近を頭部に向けて展開している総頸動脈や椎骨動脈の血流に影響を与えたり頚椎の変位を誘発する可能性が有ります。
また前述した咬筋や側頭筋は食べ物を噛む行為に関わる4つの筋肉(側頭筋、咬筋、外側翼突筋、内側翼突筋)に含まれており、総称で咀嚼筋とも呼ばれる同筋の拘縮は頭痛の他に顎関節の痛み、顔の歪みや弛みなどの美容関連の問題にも影響を及ぼします。
また顎関節(噛み合わせ)の問題は頚椎(首の骨)の変位にも影響を及ぼすとされ負の連鎖になります。
頭部後面
頚部後面と側頭部は概ねこの様な拘縮になります。
右半身から解説します。右半身は頭頂部から側頭部に掛けての筋肉と頚部側面の筋肉が拘縮している人が多数を占めます。
また右首から右肩、右上背部に掛けては僧帽筋、肩甲挙筋、棘上筋、棘下筋、小円筋、大円筋などが比較的影響を受け易くなります。
一方で左半身の方は脊柱起立筋の拘縮が腰、背中と上がって来て頚部周辺では特に頚板状筋、頭板状筋などの緊張が強くなります。
後頭下筋群(解説図の左右の耳を結ぶ様に楕円形状を描いている斜線エリアと思って下さい)は全体的に拘縮が強くなります。
後頭下筋群の拘縮は上部頚椎から頭蓋骨に向けて展開している下記の神経に大きな影響を与えます。
•大後頭神経(上部頚椎から頭頂部に向けて展開しています。大後頭神経は、こめかみから前頭部に向けて展開している三叉神経の第一枝とも関連しています)
•小後頭神経(上部頚椎から側頭部の後面に掛けて展開している神経です)
•大耳介神経(上部頚椎から耳の下部周辺や顎周辺に展開している神経です)
後頭部周辺の筋肉の凝りにより上記の神経が刺激される事でも頭痛が発生する事が有ります。
頭蓋骨の歪みについて
猫背などの不良姿勢では筋肉が凝るだけでなく頭蓋骨にも全体的に歪み(変位)が生じます。
頭頂骨、側頭骨、後頭骨、鼻骨などは下方(足元の方向)へ変位、蝶形骨や前頭骨は後下方(背中の方向)へ変位し易くなります。
頭蓋骨を頭頂部から見下ろすと本来の形状は鶏の卵の様な形をしているのですが(卵の尖っている側が前頭骨側だと思って下さい)慢性化した不良姿勢などにより頭蓋骨は鶏の卵からピンポン球の様な球状に歪んで来ます。
側頭骨には乳様突起と呼ばれる突起が存在し(耳の後ろのグリグリした所)そこには胸鎖乳突筋、頭板状筋、顎二腹筋の後腹など健康問題に大きな影響を及ぼす筋肉が付着しています。言わずもがな頭痛持ちの方は乳様突起周辺も過度に緊張している事が大半です。
加えて乳様突起の裏奥には内耳孔と呼ばれる小さな穴が開いており、その中を顔面神経や内耳神経(聴神経)が通っています。
顔面神経は副交感神経の支配下で唾液線(耳下腺・額下線・舌下線)、涙線、鼻の粘膜の線をコントロールしています。慢性的に交感神経優位の状況が続いたり側頭骨が変位するなど何らかの形で顔面神経に影響が及ぶと口内や目の乾き、鼻の症状と言った形で出る事も有ります。
内耳神経は文字通り内耳に向かい、途中で前庭神経と蝸牛神経に枝分かれします。前庭神経は「めまい」でお馴染みの三半規管に達します。
最近の研究では内耳が気圧の変化(低気圧)を察知して慢性的な疼痛(痛み)の感じ方に影響を及ぼす事がラットを使った実験で分かって来ています。
つまり内耳が敏感な人ほど低気圧になると身体の疼痛も増してしまうとの事。雨が降る前になると関節が痛くなる、頭が痛くなる、などがその一例ですね。
また慢性的な交感神経優位の状態は血管を収縮させ血液循環にも悪影響を及ぼすので、その事により内耳が影響を受け天気痛などに繋がる事も有ります。
頭蓋骨の歪みについて(続編)
蝶形骨は脳を下から支える位置関係に有ります。蝶形骨は側頭骨や後頭骨の変位の影響を受け易く(※注)蝶形骨が傾く事でも視床下部と呼ばれる自律神経や女性ホルモン分泌の中枢とされ体温や血圧調整にも関与している箇所に影響が及ぶとされています。
その為か生理痛など女性ホルモンの分泌過多による健康問題にお悩みの多くに蝶形骨周辺(こめかみの辺り)に過度な緊張が見られます。
※注:外見上は分かりませんが後頭骨と蝶形骨は隣接していて蝶形後頭底関節と言う関節を形成しています。また側頭骨と蝶形骨はセットで変位している事が殆どです。
当院に於ける手技療法でのアプローチ
基本的な施術の流れは当院に於ける他の症状同様、まずは全身の筋肉の偏った筋拘縮を「筋膜リリース(オステオパシー)」や「つるた療法」などで弛緩させ、「カイロプラクティック術」や「バランス療法」「BRM療法」、「オステオパシー」などの手技で骨格的な歪みも矯正方向に操作させて頂きます。
頭痛の場合、片頭痛、緊張性頭痛、血管拡張型頭痛、生理に伴う頭痛、気圧の変化に伴う天気痛の場合も頚部と頭蓋骨の矯正は必要不可欠ので必ず矯正をさせて頂きます。
加えて胸鎖関節、肩鎖関節、肩関節(肩甲上腕関節)、上部胸椎などの関節の変位や可動性もチェックします。
自律神経の乱れも影響していると考えられる場合は与えられた時間の範囲内で施術可能な自律神経を整える手技で調整をさせて頂きます。(2回目以降のコース時間は95分コースの方が時間に余裕が有る分、手技の引き出しを増やす事が可能です)
また股関節のアンバランスも全身の歪みに影響を与えますので股関節周辺も必ず矯正方向に操作をさせて頂きます。肩関節や股関節の重要性は「バランス療法」の坂本先生も著書の中でも説いています。
いずれの関節も本来の可動域は大変広い為、癒着や変位が起きてしまうと股関節なら膝~頭蓋骨、肩関節なら上背~肩~首、上腕など広範囲で影響を与えてしまう可能性が有ります。
まとめ
こちらのコラムでは頭痛の話題を中心に不良姿勢や利き腕の酷使がもたらす弊害と併せて話をさせて頂きました。当院で対応させて頂く頭痛は身体の歪みや過度な筋肉の拘縮に起因するものが殆どです。
既に症状が出てしまっている場合は適切な施術が必要ですが症状が気にならなくなっても再発を防ぐ意味でも姿勢や左右バランスの意識を心掛ける事は重要です。
こちらのコラム内でも取り上げた自律神経や天気痛に関する話は別件でコラムとして取り上げたいと思います。
リリースセラピーのご案内
(各種整体術・カイロプラクティック・筋膜リリース・フェイシャルリフトアップ)
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みなとみらい線日本大通り駅1番出口より徒歩3分 / JR関内駅南口より徒歩8分 / 市営地下鉄関内駅出口1より徒歩7分
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定休日:火曜日と水曜日(その他臨時休業有り)
※当院のご予約は前日までの完全予約制です。(当日予約不可)但しネット予約のシステム上、受付可能な場合のみ当日予約でも承れます。