パニック障害克服記

パニック障害克服記

院長のパニック障害体験

こちらのページは院長のパニック障害(予期不安)体験記です。

発症から症状が無くなる迄の経緯を詳細に記していますので今現在パニック障害(予期不安)の症状で悩んでいる方々の参考になれば幸いです。それではどうぞ。

パニック障害の発症

最初に動悸を感じたのは私が20代半ばの1997年頃だったと思います。

当時は都内に住んでおり、長距離移動の手段はもっぱら電車でした。
そんなある日、混雑した電車に乗っていた所、突然動悸に襲われたのです。

生まれて初めての事に戸惑いながらも何とか目的の駅まで辿り着く事が出来、電車から下りた途端に先ほどまでの動悸が嘘の様に落ち着いたのです。

「今のは一体何だったんだ?」と思いつつも、その日はそれ以降特に何も起こらず無事に帰宅する事が出来ました。

しかしその後も満員電車や地下鉄、アーケード地下街や混雑したエレベーター、狭い部屋に人が密集した時など一定の条件を満たした状況で動悸や胸が重い様な息苦しい様な何とも言えない不安感に襲われる事が続いた為、近所の内科に行く事を決意。その医院は現代薬と漢方薬を処方してくれる珍しい!?先生でした。

先生は「状況からすると身体が過度に緊張している様ですね・・パニック障害かもしれません」と言い、神経の高ぶりを穏やかにする漢方薬を処方して下さった記憶が有ります。

漢方薬と言うのは現代薬の様に即効性が有る物ではなく、時間をかけて体質そのものを変えて行くと言った物なのですが、当時はこの業界に入る前だったので「飲んでも余り効果を感じないな・・」と思い、数回の通院だけで止めてしまいました。

ただこの時を境にそれまで日課にしていた腕立て伏せや鉄アレーでの胸部を中心にした筋トレは身体の事を考え一切止めました。

動悸や息苦しさの条件

満員電車で初めてパニック障害による動悸が出てから、その後も様々な形で動悸や息苦しさに襲われたのですが、以下が私の症状が出た時の傾向や特徴です。

●満員電車(混雑した電車は原則NGですが各駅停車なら混み具合によって扉付近に立つ事で何とか乗れました。頻繁に停車する各駅停車の扉付近に立つ事で異変が有った際にすぐに降りる事が出来る事が安心感に繋がっていたんだと思います)

●特急・急行電車(発作の恐怖がトラウマになっていたので新幹線の様な特急電車はNG、最も具合が悪かった頃は車内が空いていても急行電車でさえ怖くて乗れませんでした。発作の頻度が減ってからは日中ガラガラの急行電車でしたら何とか乗れる様にはなりました)

●地下鉄(混雑状況に関係無く地下に潜ると地上よりも息苦しい感じがして駄目でした。助けを求めようかと思う程の激しい動悸に襲われた事も有ります。その際も地上に戻ると嘘の様に治まってました。ちなみに一番最後まで苦戦したのが地下鉄と満員電車です)

●バス(狭く密閉された空間なので多少の不安感は有りましたが都内でしたので比較的小まめに停車する事と混雑する時間帯は自転車移動に変えていたので実際に発作に襲われる事は有りませんでした)

●狭い空間に沢山の人(満員のエレベーター、狭いスペースで混み合う店内など空気循環が悪くなっているイメージが湧いてしまう状況だと長居は駄目でした)

●地下街(これも地下鉄同様に空気循環が悪い息苦しい感じが苦手でした。地下街を通り抜ける程度であれば何とか大丈夫でしたが店舗で立ち止まって買い物をするのは不安で出来なかったです)

以上の様な感じです。

訪れた人生の転機
パニック障害の発作や予期不安が続く中、当時私の年齢も26歳になり改めて今後の生き方を真剣に考える様になっていました。

それまでは「仕事は楽しければ良い」と言うスタンスで玩具業界で働いていたのですが、働く中で仕事の楽しさに加えて社会的な貢献も意識する様になり、「楽しさ+やりがい」を求め当時勤務していた会社を退職しカイロプラクティックの専門校に通う様になりました。学校に入学したのは27歳になって間もなくです。

カイロプラクティック専門校への通学を機に都内のアパートから埼玉の実家に出戻り、生活は夜型から昼型へ、住環境の変化も有って、まだパニック障害(予期不安)の症状は残っていましたが週に2回ほど5~10キロ程度のジョギングを始める事にしました。

パニック障害の日々
カイロプラクティックの学校に通う様になってからも1年生の最初の半年間は、まだまだパニックの発作や予期不安は続いていました。

授業は昼過ぎからだったので、行きの急行電車は比較的空いている事も有って何とか大丈夫でしたが、帰宅時はラッシュアワーと重なってしまう関係で始発駅では各駅停車に乗り、ある程度郊外に移動してから急行電車に乗り換えていました。

すると1年生の後半頃には多少の不安感は残っていても、かつての様な激しい動悸は殆ど感じなくなっていました。

そして2年生になる頃にはパニック障害の症状(動悸や息苦しさ)は無くなり最後まで予期不安だけは残っていましたが、不安感は有っても実際には発作が起きない事が少しずつ自信に繋がり、いつの間にか予期不安も無くなっていました。(症状が解消したと思われる考察は後述します)

そして現在
カイロプラクティックの学校を卒業後4年間、都内整骨院の勤務をしていましたがその間に動悸は一度も無く独立開業後1年ほど経った頃(物凄く忙しかった頃です)に横浜から初めて乗車した相鉄線の電車内で極々軽い動悸がしたのがパニック障害の発作としては最後でした。あれから15年以上経過していますが現在は全く不安を感じる事無く混雑した電車にも普通に乗れています。

パニック障害改善の考察

私は薬に殆ど頼る事無くパニック障害を克服してしまった訳ですが、実際に発症した時の状況から治癒するまでの期間を自分なりの解釈で振り返ってみました。

症状が出る前に私が頻繁にやっていた事

●過度な腕立て伏せ(週に何度か1セット100回を行っていた)

●腕立て伏せと共に8キロや6キロのダンベル運動

※補足:当時は普通の会社員だった為、胸部の筋肉を散々縮めるトレーニングはしてもストレッチをすると言う概念は全く有りませんでした。

補足も含めたこれらの行為は今振り返れば胸部の筋肉を過度に緊張させ肺や心臓を圧迫、猫背になり易い状況でした。

イメージとしてはボディビルダーの人達が胸の筋肉を強調する時に少し背中が丸くなりますよね。あのイメージです。

そしてパニック障害の方に共通して言えるのが「姿勢の良い方が一人もいない」と言う事です。

中には「私は筋トレなんてしません!」こうおっしゃる方もいるでしょう。
残念ながら筋トレをしていなくて慢性的に姿勢が悪く猫背が常態化していれば胸の筋肉の柔軟性は失われます。

猫背は結果として呼吸を浅くし体内への酸素の取り込みも阻害するばかりか慢性的に続く浅い呼吸は交感神経を過度に刺激し身体は緊張興奮状態に作用してしまいます。

動悸や息苦しさだけでなく過呼吸などの症状も交感神経の働きが過敏になり過ぎた結果です。

パニック障害を発症して止めた事と新たに始めた事

●止めた事:筋トレ全般

●新たに始めた事:ジョギング、ジョギング前のストレッチ、カイロプラクティック専門校での矯正の練習

なぜ改善したのか?

ここからはあくまでも私個人の考察です。

●過度な筋トレを止めた事で胸部の筋肉を過度に緊張させる要素が無くなり、心臓や肺に対するストレスが軽減され胸郭の柔軟性も回復し呼吸が深くなる事で血液中の酸素量も増えた。

●筋トレを止め、適度なジョギングを始めた事で走る際に背筋を伸ばしたり肘を後ろに引く動作が結果として猫背の矯正動作になり正しい姿勢と深い呼吸を取り戻し易くなった。

●カイロプラクティック専門校在学中の矯正練習が姿勢改善に補助的な役割を果たしてくれた。

この様な状況で症状が次第に改善したのでは?!と考えています。

パニック障害の症状が治まってくる迄の間は症状が続いている状況ですと、先の見えない不安な気持ちになるかと思いますが、身体の前面の筋肉の緊張をどれくらいの期間で緩和し深い呼吸を回復させるかがパニック障害克服の重要なポイントになると考えています。(繰返しになりますがパニック障害に悩む方々の大半はそもそも姿勢が悪いのです)

やみくもに筋トレを続けている方や猫背の認識が甘い方ですと症状は長引くと思いますし、整体やカイロプラクティックでの施術と併せて日々の生活でも正しい姿勢や歩き方、矯正動作などの認識を強く持てる方は症状が治まってくる迄の期間が短いのではと考えています。

当院ではパニック障害の方には頚部や胸部、上背部の筋肉の過度な緊張を取るストレッチや姿勢指導、歩行指導も行っています。お陰様でその方向で施術を進める事で実際に多くの方々がパニック障害の悩みから次第に解放されています。

それからお電話で「大体何回くらい通えば良くなりますか?」と言った質問をよく頂きます。恐らく「パニック障害も1度の施術で解消!」と言った誇張をする利益優先型の整体院やカイロプラクティック院も存在しますので、患者さん側としても整体やカイロプラクティックがそう言う物だと勘違いしているのかもしれません。

また先生側も実際にパニック障害を経験した人は稀だと思いますので机上の理論でパニック障害を分かってはいても実体験で患者さんとは共感は出来ない分、「一度の施術で改善!」などと軽々しく言えてしまうのかもしれません。

確かに症状が出た直後の方でしたら一度の施術で動悸や息苦しさが気にならなくなる事も有るとは思いますが、大半の方が症状が出てから短くても数ヶ月、長い人だと年単位だと思われます、その様な状況ですと長年に渡ってこびりついた汚れを掃除する様に徐々に改善するのが一般的です。

また発症してからの期間や今現在の年齢も大きく影響しますし、矯正体操(ストレッチ)をし日常生活での注意点もきちんと守ってくれる人とパニック障害に対しての施術を受けるだけで矯正体操は一切せず姿勢の意識さえも変える事が出来ない人とでは当然、雲泥の差になってしまいます。むしろパニック障害に対して意識改革が全く出来ない人ですと一生悩みや不安を抱えたままになる可能性さえ有ります。

当院では早い方ですと週一の施術を数回続けた段階で発作の頻度も減って来るので、その後は様子を見ながら次第に施術の間隔を空ける様にしています。

いずれにせよ姿勢の改善や心身の過度な緊張を取る事で深い呼吸を呼び込み、交感神経の過剰な反応を抑制、結果的にパニック障害の解消に繋がって行くものと考えています。