足組み癖と身体の不調

足組み癖が体調不良やスタイル悪化の要因に

当ページでは健康面でも美容面でもデメリットしかない「足組み癖」について解説させて頂きます。

足を組む行為は日常風景の一つとして目にする機会も多く、習慣化している方が多い様です。

足組みの問題点

まずは足を組む行為の問題点を七つほど挙げたいと思います。

骨格に歪みが生じる

足を組む事で持ち上げた側の骨盤が高い状況になります。

歪みは骨盤の高低差だけに留まらず側弯症猫背、反り腰と言った形に発展し、頭蓋骨や頸部、胸郭(肋骨)、肩、肘や手首、股関節や膝など更に広範囲で骨格的な歪みを生じさせます。

昨今急増中の悪しき姿勢でのパソコンやスマホ使用によるストレートネック(スマホ首)も足組み癖が有る事で症状の悪化を加速させます。

血液やリンパの流れ、神経の働きに悪影響

骨格的な歪みが生じる事により次第に筋肉の柔軟性も失われます。特に足を組む行為は腰痛に多大な影響を与える腸腰筋の柔軟性を失わせ反り腰方向に腰椎(腰骨)を導きます。そして腸腰筋の付近を通っている血管やリンパ管、神経などを硬くなった筋肉が圧迫してしまい結果として足の冷えや浮腫、痺れ、踏ん張りが利かない、足がだるい、頻繁につまづく、腰や膝が痛くなるなどの問題が生じ易くなります。

スタイルが悪化

一つ前の解説で有りました腸腰筋の柔軟性が失われる事により腰椎が前方に導かれ、前傾姿勢が強くなる事で反り腰に加えて猫背(胸椎の後湾)も誘発し易くなります。

猫背+反り腰の状況が慢性化しますと顔が大きくなる、シワや弛みが気になる、胸や背中の張りが無くなる、下腹が出易くなる、出尻や垂れ尻になる、手や足が太くなるなどの美容的な問題が生じやすくなります。次の項目でも触れますが男女問わずスタイルの崩れた人に姿勢の良い人がいない点はこう言った点も影響しています。

④慢性的に姿勢が悪化

スタイルの部分でも触れましたが足を組む事で反り腰の傾向が強くなる事に加えて背中も自ずと丸くなり「猫背+反り腰」が常態化してしまう為、傍から見る人に「姿勢の悪い人」と言った印象も与えてしまう様になります。

また背中が丸くなる事で前傾姿勢でペタペタと歩く様になり膝や股関節、腰や背中、首や肩など慢性的に関節や筋肉に凝りや痛みが生じ易くなります。ちなみに日常的に履いている靴下の最初に穴が開く場所が足底部の前方寄りで開いている人ほど前傾姿勢が強く、本来理想とされている踵寄りから穴が開く状況にはなりません。

代謝が悪くなり免疫力も低下

足を組む事により前傾姿勢が強くなります。前傾姿勢は凝りや痛みの問題だけでなく呼吸や代謝、自律神経の安定に大きく影響を与える筋肉(太腿の前後や臀部~背部、腹部~胸部、頸部や頭蓋骨、内臓を構成している筋肉など)の柔軟性も奪い、浅い呼吸が慢性的に続く事で自律神経にも乱れが生じ、筋肉の柔軟性が失われる事で代謝機能も悪化し免疫力の低下や内臓の働きに悪しき影響が出ます。

ちなみに当院で実際に施術を受けた方から良く聞く話で、「先生に施術をしてもらった後は特に何もしていないのに体重が1.5~2Kgくらい落ちる」と言ったご報告も受けます。これは施術により内臓も含めた筋肉の柔軟性が回復する事で代謝や免疫力が改善されると共に腸内環境や自律神経の安定にも働きかける事で体重が落ちたと思われます。(但し基本的な体重管理は普段の食生活が重要になります)

また20代以下の若年層ですと免疫力が高まる事による好転反応で施術の翌日に一時的に発熱する事が時々有りますが翌日には発熱も落ち着き身体がスッキリします。(中高年は基礎代謝が落ちているのでここまでの反応は出ません。身体のだるさが出る程度です)

自律神経が不安定に

前項の解説にも有りました様に足を組む事により代謝が悪化します。その事が腸内環境の悪化へと繋がり、腸内環境の悪化は交感神経優位へ導きます。交感神経は別名「戦闘神経」などとも呼ばれ文字通り身体を緊張、興奮させ戦闘モードへと誘い、その事で健康問題が起き易くなります。(胃腸問題、睡眠問題、パニック障害、頭痛、多汗、腸内環境悪化に伴う鼻炎など他多数)

⑦胃腸の働きや腸内環境にも悪影響

足を組む事で内臓(腹部)や横隔膜に対するストレス(圧迫)が強くなり、胃や腸など消化器の働きにも影響が及びます。(便秘、下痢、胃もたれ、逆流性食道炎など)また腸の働きの低下と共に腸内環境も悪化する事で免疫力の低下に繋がり、アレルギー体質になったり虚弱体質へと発展します。

※簡単に思いつく物を入力しましたが、パッと思いつくだけでもこれだけの数になります。足を組む行為がどれだけ悪しき行為かご理解頂けたのではないかと思います。

影響を受ける主な筋肉

次に足を組む事で影響を受けてしまう筋肉の解説です。

実際に影響を受ける筋肉は相当数有るのですが今回はその中でも特に重要な筋肉を4つ厳選して紹介させて頂きます。これらの筋肉に疲労物質や炎症物質が蓄積する事で、やがては全身の不調に発展して行きます。

その①腸腰筋

腸腰筋は大腰筋と腸骨筋から構成される筋肉の総称で腰のコンディションに影響を与える筋肉としては(身体の)前面寄りの筋肉になります。

前面寄りの筋肉ではありますが皆さんご存知の「ギックリ腰」で腰に痛みをもたらしているのは概ね大腰筋になります。これは関連痛と呼ばれる状況で痛みの原因となる筋肉の問題と実際に痛みが出ている場所が違うと言った状況は腰痛に限らず良く有る事です。

それから腸骨筋の柔軟性が失われた場合は鼠径部に痛みや違和感として出易くなります。

腸腰筋は足を組んでいる間、常に収縮(緊張状態)を続けており習慣的に足を組む事で筋肉に縮み癖がついてしまい腸腰筋のストレッチ方向(伸展)への可動域が減少し易くなります。※補足参照


※補足:下記のイラストは股関節の「屈曲」と呼ばれる動作で足を組む際に腸腰筋が収縮する方向で、この逆方向が「伸展」となり、腸腰筋がストレッチされる方向となります。 


これにより腰椎や骨盤が前方に引っ張られて反り腰になり、腸腰筋は側弯症にも影響を及ぼす筋肉の為、右足を上にして組み続ける事で次第に右骨盤高位となり腰椎は左方向に逃げ、結果的に左側弯(背骨が左に寄り頭が右に傾げた状態)の傾向が強くなります。

また腸腰筋はハイヒールの着用でも影響を受けます。ヒールの高さに比例する形で反り腰が酷くなり、外見上では下腹部が出易くなり、健康面では便秘や生理の問題、不妊症や子宮脱など女性特有の健康問題に加え下肢の血流も悪くなる事で足の冷え、浮腫、こむら返り、膝の痛みなどのリスクも高まります。

腸腰筋は横隔膜とも繋がりの有る筋肉で特に大腰筋は息を吸う際に補助的に働いている筋肉になります。大腰筋の柔軟性が無くなる事でも浅い呼吸が継続され、その事により交感神経(自律神経)が刺激され続け自律神経の乱れにも繋がります。

また鼠径部には下肢に向けて血管や神経、リンパ管などが通っています。腸腰筋の過度な緊張はそれらも圧迫(刺激)する形になります。

その②大腿四頭筋

大腿四頭筋は腿の前面寄りに展開している筋肉で「外側広筋、中間広筋、内側広筋、大腿直筋」の4つの筋肉の総称となります。

頻繁に足を組む事で大腿四頭筋は腸腰筋とセットで柔軟性が消失します。また大腿四頭筋の柔軟性が失われる事で腰痛や股関節痛、膝痛の要因にもなります。

もう一つ重要な点として人体の筋肉で最もエネルギーを燃焼(代謝)してくれる筋肉が大腿四頭筋と言われています。(所説有ります)

同筋の筋力が低下したり柔軟性が失われる事で基礎代謝の低下に繋がり免疫力や体温の低下、太り易く痩せにくい体質へと変化して行きます。

その③横隔膜

「しゃっくり」でお馴染みの横隔膜、こちらは息を吸う際にメインの働きをしている筋肉です。横隔膜と言うと「みぞおち」に存在しているイメージが有ると思いますが実際は第3腰椎~第4腰椎に掛けても膜組織が展開しています。(イラスト参照)

不良姿勢や足組みなどにより横隔膜の柔軟性が失われると呼吸も浅くなり交感神経優位で自律神経が乱れやすくなるほか、首、顎、肩、背中の痛み、コリ、胃の不調、不良姿勢、モートン神経腫(足指間の痛みや痺れ)など様々な体調不良を呼び込みます。

横隔膜は姿勢の悪い人、自律神経の乱れている人の大半が凝っている筋肉ですが、日常的にそれらを実感する事も無く、医療機関や各種民間療法に通院しても見過ごされてしまう事の方が圧倒的に多く、慢性的な原因不明の体調不良(不定愁訴)や自律神経失調症、心の病と言った形で過ごしている人が殆どです。

その④肋間筋

肋間筋も呼吸に関与する重要な筋肉ですが、「内肋間筋」と「外肋間筋」に分けられ、それぞれが違った働きをしています。

外肋間筋

息を吸う際に横隔膜と共に働く重要な筋肉です。

利き腕を酷使している人、猫背や側弯症気味の人、過度なストレス(肉体的もしくは精神的)に晒されている人などは胸郭(肋骨)に歪みが生じている事が多く、慢性的に浅い呼吸が続き外肋間筋の柔軟性も大いに失われていますが(血行不良・発痛物質の蓄積)殆どの人がその事に気付いていません。その為、施術時に外肋間筋に触れると「あれ?そこ痛いですね」と触れられる事で初めて気付く事になります。これは横隔膜にも同様の事が言えます。

内肋間筋

こちらは息を吐く際に腹筋群(腹直筋、腹横筋、内腹斜筋、外腹斜筋)と共に働いている筋肉です。外肋間筋と内肋間筋は相関関係に有るので外肋間筋や横隔膜の柔軟性が失われると内肋間筋や腹筋群の柔軟性も失われる事になり、慢性的に呼吸が浅くなってしまい様々な体調不良の要因になります。

日常的な注意点

足を組む動作以外にも骨盤の前後左右のバランスを狂わす生活習慣は思いのほか有ります。日々の生活の中で左右のバランスを意識する事は大変重要です。ここでは歪みの元となる代表的な生活習慣を幾つか紹介します。

屋外で・・

右利きの人は股関節の動作の関係で右骨盤が高くなり易い傾向にあります。その事で階段やエスカレーター、庭園の置き石やエレベーターBOXの出入りなど無意識に右足から踏み出しています。

室内で・・

右骨盤が高い傾向にある人ほどズボンを穿く時や浴槽を跨ぐ時、踏み台や脚立に足を掛ける際にも無意識に右足から動作する傾向に有ります。

若い人に多いです

右骨盤が高い人ほど立膝をつく時は右足で立膝をつきます。座っている時だけでなく、しゃがんで作業をする時なども右膝を立てた方が感覚的に楽に感じます。

仕事でもプライベートでも・・

右手でマウスの操作を継続する事により右の肩甲骨が前方に歪み、右肋骨(胸郭)は後方に変位し、その影響で右骨盤も歪んでしまいます。またPCのモニターが正面と左側に設置してある状況ですと更に右骨盤が高くなります。

ほぼ毎日触ります

ガラケー時代に比べて見掛ける事は減りましたが携帯電話を片手(右手)で操作する習慣もマウスの時と同様に右肩甲骨→右肋骨(胸郭)→右骨盤の流れで骨格的な歪みが生じます。

タイヤの空気をご自身で入れる人は・・

足踏み式の空気入れは大半の方が利き足側(右足)で踏んだ方がエアーが入る為、右足を多用しますが、その事で左右大腿前面の筋力の差が大きくなり骨格的な歪みにも影響してしまいます。

自動車のタイヤなど圧入に強い力を必要とする物ほど利き足側に頼りがちです。

車は仕事でもレジャーでも大切な重要な役割を果たしてくれます

右腕でハンドルを握り左肘は肘掛けに乗せた状態で何となく左のお尻に体重を掛ける動作をすると右の骨盤が高くなり易くなります。既に骨格的な歪みが有る方は無意識の内にそのポーズを好んでしまいます。

学生さんの必須アイテム?

自転車は運転免許を持たない学生さんや都市部で生活する人にとっては無くてはならない乗り物かと思います。自転車はその構造上、右足でロックを解除しスタンドを戻し、右足から跨いで右足から漕ぎ出す・・この動作を強いられてしまう為、無意識の内に右の骨盤が高くなる方向に骨格を歪めてしまう習慣になります。

通勤通学に潜む落とし穴

こちらも通勤通学でお馴染みの方が多いと思います。

路線バスや改札口のタッチパネルの位置です。右手でタッチする事を前提で作られていますので自然と右肩、右腕が前方に変位して骨盤の高さが狂い易くなります。

手技療法で足組み癖を卒業

足組み癖の有る方の殆どに骨格的な歪みや左右アンバランスな筋肉の凝りが確認されます。そして骨格的な歪みが強くなればなる程、なお一層足を組まずにはいられなくなります。そんな悪しき状態が慢性化する事で次第に心身の不調に繋がって行きます。

当院ではカイロプラクティックやオステオパシー(筋膜リリース)、各種整体術を活用し、それらの状況からの脱却を目指します。

世の中にはセルフ整体の書籍やセルフで出来る身体の歪みの矯正法と称したYouTube動画なども多数有りますが実際には身体のコンディションは十人十色ですしストレッチもセルフでのストレッチ(※自動運動)と第三者の力を借りるストレッチ(※他動運動)では筋肉の伸び方も違って来ます。またYouTube動画では間違った情報も氾濫しており自力だけで解決出来る人は思いのほか少ないのでは?と感じる次第です。自力の限界を感じたら経験豊富な施術者に任せてみるのもお勧めです。(勿論皆様方で日々の意識を変えて頂く必要も有りますが)

※参考:自動運動と他動運動

骨格的な歪みが改善する事で多くの方が「以前の様に足を組まなくなりました」「頭痛が無くなりました」「首や肩の凝りが気にならなくなりました」などカイロプラクティックや筋膜リリース、各種整体術の効果を実感されている様です。これらの効果は年齢の若い人、経過年数の短い人ほど早く感じる事が出来ます。

横浜市中区(関内・日本大通り)界隈で根本治療を念頭に置いた整体院やカイロプラクティック院をお探しでしたら2006年創業の当院を是非選択肢にしてみては如何でしょうか。これまでの経験や実績に裏付けられた施術をご提供させて頂きます。

当院は創業以来リピーターさん、医療従事者、女性のユーザー、長時間のコースを選択される方が多い事が特徴にもなっています。

リリースセラピーをどうぞ宜しくお願い致します。


リリースセラピー(since2006~)

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Posted by 日本カイロプラクティックフィジシャンズ協会 清水武志

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