関連資料集

こちらの資料集は当サイト内の健康コラム記事からのリンクとなっています。こちらの資料単体でお読み頂いても概要は分かるかと思いますが是非健康コラムと併せてご覧下さい。


●脊柱起立筋

脊柱起立筋(総称)の概要です。厳密にはこちらの画像から更に筋肉が細分化しています。(仙骨から頭蓋骨に掛けて展開している筋肉と思って下さい)

脊柱起立筋の過度な拘縮は腰や背中、首や肩の凝りや痛みを生じさせる他、交感神経の枝を刺激し自律神経の乱れにも影響を与え、結果的に内臓の不調に繋がる事が有ります。


●ハムストリングス

ハムストリングス(総称)の詳細画像です。背中側から太腿を見ている状況です。

特に半腱様筋と半膜様筋は軸足側(足を後ろに動かす力が強い側)の方が拘縮が強くなり易い傾向にあります。


●大腿四頭筋

こちらは腿の前面側の主要な筋肉(大腿四頭筋)です。非常にサイズの大きな筋肉で基礎代謝にも大きく影響を与えます。(基礎代謝は体温や免疫力にも影響を及ぼします)

猫背などで前傾姿勢が慢性化していると腸腰筋と共に筋肉に柔軟性が無くなるばかりか腰や膝の痛みなどにも影響を及ぼします。


●内転筋群

内転筋群(総称)を身体の正面から見た図です。

利き手の反対側の内転筋群が拘縮し易い傾向に有ります。


●腸腰筋

腸腰筋(総称)の詳細画像です。身体の正面から見ている状況です。

大腰筋は「ギックリ腰(俗称)」でお馴染みの筋肉です。

柔軟性が無くなると関連痛と呼ばれる痛みが仙骨~腰の辺りに掛けて出て来ます。大腰筋は腰椎(腰骨)と大腿骨を直接結んでいる唯一の筋肉の為、炎症が強くなると歩行さえも辛くなります。また腸腰筋の拘縮は反り腰や側弯症にも大きく影響を与えます。

昨今、年配のドライバーがアクセルとブレーキを踏み間違えて店に突っ込むなどの交通事故が多発していますが、これらも腸腰筋が極端に衰えて足下のペダル操作が困難になっている事を意味します。杖を使う状況下で車を運転する行為は自殺行為と言えます。

またイラストには有りませんが大腰筋は膜組織の繋がりで横隔膜とも関連性の有る筋肉になっています。大腰筋の柔軟性が失われている人は同時に横隔膜の柔軟性も失われている事が多々有ります。


●右そけい部拡大図

腸腰筋(大腰筋&腸骨筋)のすぐ近くを動脈、静脈、神経が通り、また画像には有りませんがリンパ節やリンパ管も存在します。

腸腰筋の柔軟性が消失すると、これらの働きにも影響が出てしまい、冷えや浮腫、痺れや痛みなど様々な問題を引き起こします。


●広背筋

腰椎(腰骨)や胸椎(背骨)はそれぞれ脚力や腕力の弱い方に逃げ易くなります。つまり脚力も腕力も右の方が強い人は左側弯になっていきます。

左側弯の場合、左の広背筋の方が右に比べて硬くなります。加えて利き足側の右大腰筋の拘縮も左広背筋の拘縮に影響を与えます。それらの作用により左肩は後ろから前に押し出される形で巻き肩を形成し左胸部の拘縮に影響を与えます。


●側弯症

画像は背面から見た右側弯のイメージです。(左側弯は背骨のカーブが逆になります)


●広頚筋

広頚筋イメージです。

右利きの人は右の広頚筋が硬くなりますので、イラストを参考に首の前面や顎下などを指の腹で押してみて下さい。疲労物質が溜っている場合は圧痛が出ます。


●胸鎖乳突筋と斜角筋

胸鎖乳突筋・斜角筋イメージ

胸鎖乳突筋と斜角筋はセットで硬くなります。共に息を吸う時に作用している筋肉です。

人の姿勢を横から見た時に頭が極端に前方に突出している人が居ますが、そう言った方は胸鎖乳突筋が過度に緊張している目安になります。(次のイラスト参照)

また前斜角筋や中斜角筋の過度な緊張は指先まで展開する神経に悪影響を与える事も有ります。


●胸鎖乳突筋

胸鎖乳突筋は胸骨、鎖骨、側頭骨、後頭骨に付着している筋肉で首を回す事に関与する為、「寝違い」でもお馴染みの筋肉と言えます。また首の筋肉ですが息を吸う動作(吸気)にも関与しています。

胸鎖乳突筋の柔軟性が消失する事により頚椎の変位(ストレートネック)を誘発するばかりか総頸動脈や椎骨動脈などの頚部を通過し頭部に向かう動脈の流れにも悪影響を及ぼしてしまう為、胸鎖乳突筋の柔軟性(正しい姿勢)を保つ事は健康な毎日を送る上でも大変重要な事になります。


●頚部の重要な動脈

胸鎖乳突筋や斜角筋の過度な拘縮は凝りの問題を発生させるだけでなく頚椎の変位も誘発し、胸鎖乳突筋の下を流れる頸動脈、頚椎内を縫うように進む椎骨動脈などの血流にも影響を与える可能性が有ります。

椎骨動脈に関しては次の画像でもう少し詳しく解説しています。


●椎骨動脈と横突孔

こちらの人体模型の様に椎骨動脈は頚椎の左右に存在する横突孔と呼ばれる孔の中を下から上に貫く形で脳に展開しています。

慢性的な不良姿勢やスポーツなどでの転倒、交通事故による影響などで頚椎の不整列が有りますと椎骨動脈の流れも不安定になり頭痛の要因になる事も有ります。

こう言った状況の場合、頚椎の変位を無視する形で首をやみくもにマッサージしてしまったり、頚椎矯正の正しい知識が無い施術者が頚椎を操作する事で症状を悪化させてしまう事が有ります。


●胸鎖乳突筋や胸筋の拘縮

胸鎖乳突筋の拘縮が強くなるとイラスト右側の女性の様に頭が前方に突出し、猫背や巻き肩も目立つ様になります。(猫背や巻き肩は胸部の筋肉の緊張が大きく影響します)

※左側の女性は正しい姿勢の見本です。


●側頭筋と咬筋

イラストでは側頭筋の一部がカットされていますが実際は下顎骨に付着しています。側頭筋や咬筋は食べ物を噛む時に働いている咀嚼筋(総称)です。次の画像で全ての咀嚼筋を解説しています。

顔の歪みが強い方は側頭筋や咬筋が過度に緊張してる方が殆どです。側頭筋は顔の老化にも大きく影響を与える筋肉です。


●咀嚼筋

咀嚼筋(総称)と呼ばれる食物を噛む時に作用する筋肉はこちらの4つです。外側翼突筋と内側翼突筋は口内の筋肉と考えて下さい。また外側翼突筋は開口時にも働きます。

民間療法で施術可能な咀嚼筋は側頭筋と咬筋に限ります。口内の筋肉への施術が許可されているのは医師免許保持者もしくは歯科医のみです。


●僧帽筋

利き腕が右の人の場合、僧帽筋も右側が硬くなる傾向に有ります。通常利き腕側の方が腕と共に肩も下がるので頭も右に傾げやすくなるのですが、僧帽筋の緊張が過剰になると反対側(左方向)に押し返す力が働き次第に右肩が盛り上がって来ます。

また僧帽筋は後頭骨に付着する筋肉の為、僧帽筋の過度な緊張は後頭部から頭頂部、及び側頭部に伸びる神経(大後頭神経、小後頭神経)や、後頭部周辺の筋肉の締め付け感に影響を及ぼす可能性が有り、また息を吸う動作のサポートもしているので過度な緊張が続く事で慢性的に浅い呼吸が繰り返され自律神経が乱れる恐れも有ります。


●肩甲挙筋

肩甲挙筋は肩甲骨から上部頚椎(首の骨)を結ぶ筋肉です。肩甲挙筋も右利きの人の場合右側の方が硬くなりやすい傾向に有ります。

こう言った頚椎に付着する筋肉の過度な緊張が頚椎が変位する要因になります。


●大胸筋と小胸筋

小胸筋と大胸筋のイメージです。小胸筋は肋骨と肩甲骨を結び、拘縮が強くなる事で巻き肩や肩の痛み、手の痺れや冷えなどを引き起こします。大胸筋はボディビルダーが動かしている胸の筋肉です。

過度に緊張する事で胸郭を圧迫し猫背を誘発すると共に肩甲骨を前方に導き、鎖骨を上方に変位させます。

これにより酷い人ですと鎖骨と肩甲骨の関節面(肩鎖関節)の段差が大きくなり肩の痛みの要因になる事も有ります。

また胸部や頚部の緊張が強い方は呼吸が浅くなっている事が多く、浅い呼吸が交感神経優位に導いてしまう為、パニック障害や睡眠障害などの自律神経失調症に加担してしまいます。

物凄く重要な筋肉なのですが最近は不良姿勢でパソコンやスマホを操作する人達ばかりなので過度に緊張している方が非常に多い筋肉でもあります。

浅い呼吸や頚部の変位などが鬱病に影響する為、近年鬱病の人が増えている背景にはこう言った事も影響していると当院では考えています。

※当院ではパニック障害や予期不安、軽度の鬱症状は特に問題無く対応させて頂いていますが、メンタル系の専門教育(資格)は保持していない為、より専門性が求められる統合失調症や重度の鬱症状は対応外とさせて頂いています。何卒ご了承下さい。


●頭板状筋と頚板状筋

頭板状筋は胸椎と頚椎から後頭骨と側頭骨へ展開する筋肉です。側頭骨では耳の後ろの骨がグリグリした所(乳様突起)に付着しています。

頚板状筋は胸椎から上部頚椎に展開する筋肉です。上部頚椎の変位(ズレ)は頭痛や睡眠障害、高血圧、眼精疲労など多くの健康問題に影響を与えるとされています。

頭板状筋も頚板状筋も脊柱起立筋の一部を成しています。


●肩甲骨周辺の筋肉

右利きの人は右胸の筋肉の拘縮の影響を受けて右肩が前へ前へと導かれます。それに伴い棘上筋、棘下筋、小円筋、大円筋、三角筋(次項)などの拘縮が連動して強くなります。


●三角筋

三角筋は肩を取り巻く様に付着している筋肉です。

三角筋の側面や棘上筋などが硬くなると両腕を肩の高さまで水平に上げて「T」のポーズ(専門的には外転と言います)を作る事が痛みで出来なくなる事も有ります。


●顔周辺の筋肉

側頭筋の過度な拘縮は同側の咬筋や眼輪筋、前頭筋などの筋肉の拘縮にも影響を及ぼします。また側頭筋の過度な拘縮は視床下部を支える蝶形骨のズレにも影響を及ぼす可能性が有ります。

蝶形骨が傾く事で視床下部の働きに影響が出て自律神経の失調や女性ホルモン分泌の乱れにも繋がっていきます。


●頭蓋骨

咀嚼筋の一つである側頭筋は周辺の骨ですと側頭骨、蝶形骨、下顎骨、後頭骨などの骨の変位(ズレ)に影響を与えます。また蝶形骨のズレは隣接する鼻骨のズレを誘発するともされています。

側頭筋は噛み癖、不良姿勢、頬杖、顎を圧迫した就寝などちょっとした生活習慣で次第に歪みます。特に利き足側の方が周辺の緊張が強い方が多い印象です。

利き足の影響に関してはこちらのページも参考になると思います。


●乳様突起

側頭骨の下部に位置する乳様突起には顎二腹筋(後腹)胸鎖乳突筋頭板状筋など影響力の大きな重要な筋肉が多数付着しています。

また乳様突起の裏奥には神経が抜けて行く内耳孔と呼ばれる小さな穴が開いています。

内耳孔を抜けて行く神経(内耳神経と顔面神経)は聴覚や平衡感覚、顔面神経麻痺や目まい、耳鳴り、天気痛など日々の生活に大きな影響を与える健康問題とも直結している大変重要な神経なので側頭骨の変位(ズレ)がそれら神経の働きにも悪影響を与えてしまう可能性が有ります。

※顔面神経は顔の筋肉を動かす筋肉です。その為顔面神経麻痺になると顔の左右が非対称になります。顔面に痛みを生じさせる神経は三叉神経と言い顔面神経とはまた別の走行の神経になります。


●視床下部(脳)

視床下部は自律神経や女性ホルモン調整に大変重要な役割を果たしています。

視床下部は蝶形骨と言う骨の上に乗っていますが、蝶形骨と隣り合う側頭骨に引っ張られる形で蝶形骨がズレてしまうと視床下部の働きそのものにも影響が出ると言われ自律神経の乱れや生理痛や生理不順など女性ならではの健康問題にも繋がる可能性が有ります。


●前頸部~顎下の筋肉

顎二腹筋の後腹が乳様突起に付着しています。顎二腹筋は舌骨下筋群や外側翼突筋と共に開口時に動作のサポートをしています。


●自律神経とは①

穏やかに呼吸をしたり、食べた物を円滑に消化、吸収、排泄をしたり、毎晩ぐっすり安眠出来るなど日常生活を滞りなく過ごす為に体内の恒常性(バランスの調整)に重要な役割を果たしているのが自律神経です。

自律神経には交感神経と副交感神経が有り、文字通り自分の意思とは関係無く各々が自律する形で互いの調和を図りバランスを調整しています。

ところが、どちらか片方の神経が一方的に主導権を握り、自律神経の調和が乱れてしまった状態を自律神経失調症と呼びます。

交感神経と副交感神経の主な働きは事項の「自律神経とは②」のイラストを参考にして下さい。


●自律神経とは②

交感神経は別名「戦闘神経」などとも呼ばれ、日中の活動的な時間帯(戦闘モードの時)やストレスを受けた時などに優位に働きます。また腸内環境の悪化に伴う便秘でも交感神経は優位になります。

参照:腸内環境と自律神経

一方で副交感神経は心身がリラックスしている時や感動している時、排泄時や夜間などに優位に働くとされています。

この辺りのバランスが崩れると自律神経失調症や天気痛(気象病)などの各種症状が出易くなります。

参照:天気痛(気象病)と整体・カイロ

具体的には睡眠障害や下痢や便秘などの便通障害、頭痛やパニック障害、高血圧、胃の不調、多汗、関節痛、気持ちの落ち込み、慢性的な怠さ、ドライアイ、ドライマウス、鼻炎、冷え、浮腫、耳鳴り、目まい、など他にも多種多様です。


●内耳神経(聴神経とも呼ばれます)

内耳(聴)神経は途中で蝸牛神経と前庭神経に分岐します。蝸牛神経は蝸牛に展開し聴覚に関与、前庭神経は三半規管に展開し平衡覚に関与しています。

近年の研究では内耳の働きが敏感な人ほど低気圧による体調不良が出易くなるとされています。また当院の見解では側頭骨の変位も内耳神経や顔面神経に影響を与えると考えています。(内耳神経、顔面神経共に内耳孔と呼ばれる側頭骨に開いた小さな穴を抜けて頭蓋骨の中に入って行きます)


●蝶形骨①

蝶形骨のイメージ画像です。文字通り蝶が羽を広げた様な形状で左右こめかみ付近で蝶形骨に触れる事が出来ます。

この蝶形骨の上に乗っているのが自律神経の働きや女性ホルモン分泌の中枢を成している視床下部と呼ばれる器官になります。

蝶形骨は隣接している側頭骨の変位(ズレ)の影響を受けやすく、蝶傾向の傾きが大きくなると視床下部の働きにも影響が出易くなるとされています。

また蝶形骨にも側頭骨同様に神経が通り抜ける小さな穴が複数開いており、目を動かす為の神経(動眼神経、滑車神経、外転神経)、顔面に痛みをもたらす三叉神経が通っています。

三叉神経は厳密には眼神経、上顎神経、下顎神経の3つに分かれており、かき氷を食べて頭がキーンとしているのは上顎神経への刺激になります。


●後頭骨

後頭骨のイメージ画像です。前出の蝶形骨と「蝶形後頭底結合」と呼ばれる関節を成しています。


●骨盤前面

画像は骨盤を身体の前面側から見た状況です。

通常は背面側から見た位置関係で呼びますのでオレンジの枠で囲って有る側の座骨が左座骨となります。

左軸足の傾向が強くなると左座骨や左仙骨、画像には有りませんが左大腿骨(足の骨)などが後方にズレ易くなります。


●骨盤後面

骨盤を背面側から見た状態です。

右利き手、右利き足が習慣付くと右の骨盤が上がり易い状態に陥り、画像内の中殿筋や小殿筋、梨状筋などが凝って来ます。

一方で軸足側になる左足は座骨や大腿骨などが後方にズレ易くなり結果的に大臀筋が右側に比べて凝り易くなります。

この様に同じ臀部の筋肉でも利き足側と軸足側とでは左右で凝りの度合いに差が生じます。


●後頭乳突縫合

後頭乳突縫合は後頭骨と側頭骨の乳様突起(耳の後ろのグリグリしている所)の間に有る縫い目状の関節です。

乳様突起には胸鎖乳突筋顎二腹筋(後腹)頭板状筋など重要な筋肉が多数付着しているばかりか、この周辺のズレや凝りが、すぐ近くを通っている迷走神経(副交感神経)や内耳神経、顔面神経、三叉神経など顔面や側頭部周辺に展開している神経などにも影響を与える事が有ります。


●脳神経

12種有る脳神経の内の1つが迷走神経(10番)です。一般的には「副交感神経」と申し上げた方がピンと来るかもしれません。そんな迷走神経は副交感神経の中でも代表的な1つです。

迷走神経はその走向上、(後頭乳突縫合の近くを通る為)側頭骨や後頭骨の変位の影響を受け易く、身体が疲れて来ると耳の後ろ周辺辺りに凝りや違和感を感じる人はその可能性も有ります。

迷走(副交感)神経が影響を受ける様な事が有れば当然自律神経が乱れる事になります。


●三叉神経

三叉神経は顔の「感覚」に関与する神経です。

つまり顔面神経痛と呼ばれる顔の神経痛で痛みを感じているのは実際には顔面神経ではなく三叉神経と言う事になります。

三叉神経は他にも「涙」、「唾液」、「鼻水」などの分泌や食べ物の咀嚼や嚥下(飲み込み)にも関与しています。

三叉神経が顔の「感覚」なら顔面神経の働きは顔の筋肉を動かし「表情を作る事」になります。故に顔面神経が麻痺をすると表情が作れなくなり左右非対称の顔になります。他には味覚を伝える役割なども担っております。


●蝶形骨②

側頭骨と隣接している蝶形骨と言う骨には脳幹から出て来た三叉神経が3つに分岐後(眼神経、上顎神経、下顎神経)各々の神経が通り抜ける穴が存在しています。

それぞれの穴の名称と通過する神経の名称は以下の通りです。

上眼窩裂(眼神経が通過)

正円孔(上顎神経が通過)

卵円孔(下顎神経が通過)

そして最終的にこれらの神経全てが顔の表面に出て来ます。

側頭骨や蝶形骨の骨格的な変位(ズレ)に影響されて、これらの神経に影響が出る事で眼や口内、鼻に関わる健康問題が起こる可能性もゼロではありません。

※蝶形骨の頭蓋骨での位置はこちら


●顔面神経

こちらは顔面神経の走行です。

顔面神経は側頭骨に存在する茎乳突孔と言う穴から顔面に顔を出し、画像のオレンジ線の様に展開しています。

顔面神経が麻痺をしますとイラストの様に眉毛が下がり、目を閉じる事が出来なくなり、頬が垂れ、口角も下がります。

側頭骨は不良姿勢の影響を受けて蝶形骨や後頭骨共々変位し易くなる骨です。

当院では三叉神経や顔面神経、内耳神経に関連した症状を持っておられる方に対しては頭蓋骨変位との関連性も重要視しております。


●理想的な座り方

椅子に座る際は座面に深く座り、両膝が90°の状態、両足底部がしっかりと地面に着き(小柄な方で足が浮いてしまう場合は足置きなどが有ると良いです)、上半身は横から見た際に大腿骨の骨頭部、肩、耳が直線上になるイメージで座って下さい。

また両膝の内側がピタリと合う様に努め、間違っても大の字に開く様な事は無い様にお願いします。


●股関節(右足前面)

•小転子には腸腰筋(大腰筋と腸骨筋)が付着しています。

•大転子には深層外旋六筋が付着しています。

•バランス療法では股関節に癒着が有ると周辺の血流が悪くなり大腿骨頭の軟骨も脱落し易くなり、磨り減った軟骨により股関節の痛みや腰痛、背部痛、頚痛や膝痛などにも影響を与える可能性が有るとされています。


●深層外旋六筋

股関節を「がに股方向」に動かしているのが深層外旋六筋と呼ばれる筋肉です。

オレンジの枠で囲った五種の筋肉に「外閉鎖筋」と呼ばれる筋肉(イラストではカットされていますが下双子筋と大腿方形筋の間辺りに有ります)を追加して深層外旋六筋となります。

深層外旋六筋は大腿骨の大転子に付着しています。


●ストレートネック

「ストレートネック=スマホ首」と解釈して下さい。

頭を垂れてのスマホ操作やPCのモニターを食い入る様に見てしまう習慣、分厚い枕を使用している、椅子に座った際に足を組んだり、踏ん反り返って座ってしまう、長いソファーの肘掛けに頭を乗せて座面で寝てしまう・・など背筋を伸ばす意識や顎を引く習慣が皆無な人ほどストレートネックに誘導されます。


●拇指球

「つるた療法」や「筋膜リリース」では主に拇指球(オレンジの丸印)を疲労物質が蓄積しているトリガーポイントやツボなどの圧痛点に優しく当てがい、持続圧もしくは持続圧+牽引などの操作で対象の筋肉を弛緩させ疲労物質を流していきます。

また「つるた療法」も「筋膜リリース」も手の平を置くスペースが無い狭い部位に関しては親指以外の四指の先端(青丸)、手刀部(黄緑枠)、鎖骨とその周辺だけに限定して親指の腹を使用する事がございます。


●鎖骨周辺の関節

頚部や肩、上腕の骨格が影響を受けていると思われる方の場合、以下の関節は必ず矯正を行っています。(頭痛、首や肩、背中の凝り、腕の痺れ、肩の痛み、息苦しさ、パニック障害他多数)

オレンジ色の赤丸:胸鎖関節

青の赤丸:肩鎖関節

黄緑の赤丸:肩甲上腕関節(肩関節)


●理想的な電球色

画像左が電球色で画像右が昼光色です。

昼白色は電球色と昼白色の中間色で太陽光のイメージに近い白になります。

白色系の色は身体を緊張興奮させる作用の有る交感神経に働きかけ、電球色はリラックス時に作用する副交感神経に働きかけます。

自宅などリラックスしたい空間には電球色を選択する方が良いでしょう。


●猫背+反り腰

画像右側が「円背+反り腰」のイメージ画像です。左側は理想的な姿勢です。

※画像素材に最適な物が見つからなかったので当方にて画像を加工しています。

日本人に最も多いとされている「円背+反り腰」、上半身が猫背により前傾姿勢になり、下半身は膝を曲げ力を後方へ負荷を逃がしつつ全体のバランスを取っています。

正しい姿勢に比べて首、肩、腰、膝と多部位に於いて負担が増します。


●脊柱

背骨を横から見たイラストで詳しくは以下の通りです。

緑色:頸椎(7ヶ)

スカイブルー:胸椎(12ヶ)

ピンク:腰椎(5ヶ)

紫色:仙骨(※:注)

※:仙骨に関しては誕生時こそ5つに分かれていますが中学・高校の思春期辺りから癒合が始まり30代半ば迄に1つの骨になると言われています。

また厳密に言いますと仙骨の更に下部に尾骨が存在します。こちらのイラストでは尾骨は仙骨に含まれています。


●頭蓋骨の断面図と孔(穴)

頭蓋骨の形状を頭頂部から観察すると「鶏の卵」の様な形状をしています。しかし不良姿勢など頭蓋骨を歪ませる要因を持ち合わせていると次第に「鶏の卵」から全体的に「球状」に歪んでしまいます。

ちなみに顔面神経痛をもたらす三叉神経は蝶形骨(クリーム色の部位)に示されている上眼窩裂、正円孔、卵円孔と言う穴を通過しています。

また側頭骨(薄い緑色の部位)には内耳孔と言う穴が存在し、内耳神経顔面神経が通過しています。(顔面神経は内耳孔から一旦頭蓋内に入り同じく側頭骨に存在する茎乳突孔と言う穴から表層に戻って来ます。


●横隔膜

横隔膜は次項で解説する外肋間筋と共に息を吸う際にメインになって働く筋肉です。

パニック障害や新型コロナウィルスの後遺症に悩む方々の多くは胸郭周辺の筋肉の柔軟性が失われ血液やリンパの巡りが悪くなるだけでなく、それにより繰り返される浅い呼吸によって交感神経の作用も一層強くなり様々な健康問題となって現れます。

また一般的に横隔膜は「みぞおち」のイメージが有ると思います。しかし実際は上端部は第7肋骨(肩甲骨の下端部辺りの肋骨)から下端部ですと第3~第4腰椎に掛けて広い範囲で展開しています。(画像では第3腰椎に付着していますが腰椎の付着部に関しましては個人差が有ります)

横隔膜は深呼吸をする事でストレッチされますので自律神経が乱れ易い方は日々の習慣にしても良いと思いますが、何より猫背にならない様に努める意識が重要です。


●肋間筋(内肋間筋・外肋間筋)

肋間筋は文字通り肋骨と肋骨の間に付着している筋肉で胸側の肋間筋を内肋間筋、背骨側の肋間筋を外肋間筋と呼びます。外肋間筋は横隔膜と連携し息を吸う動作に作用します。内肋間筋は腹直筋などと連携し息を吐く動作に作用します。

猫背や浅い呼吸、利き腕の酷使や繰り返される咳などにより肩甲骨や胸郭のバランスが崩れると椎骨間の関節(椎間関節)や椎骨と肋骨で構成されている肋椎関節の柔軟性も失われ、肋間筋や横隔膜、腹筋群の柔軟性も失われます。

肋間筋を支配している神経は肋間神経と呼ばれ脊髄(胸髄)からスタートし肋骨に沿う形で展開しています。但し最も下部の肋骨(12番目)から展開している神経は肋間神経ではなく肋下神経と呼ばれ、腹部の筋肉を支配する神経となります。

パニック障害や新型コロナ後遺症に悩む方々の多くは横隔膜、肋間筋、腹筋群など呼吸に関わる筋肉の柔軟性が著しく失われています。過度な筋肉の疲労は血流やリンパ液の巡りを悪化させ、その部位のpHも低下するとされ、pH7.35以下で不整脈や頭痛、呼吸が浅くなるなどの問題が生じるとされています。


●椎体と椎間関節

椎体(胸椎)のイラストです。

椎体と椎体の間にはヘルニアでお馴染みの椎間板が有りますが、椎間関節と言う関節も存在します。

椎体は骨のズレ(亜脱臼)を起こしやすく、それにより痛みや怠さの問題、痺れ、自律神経を乱し内臓の不調を誘発するなど様々な問題を起こします。


●筋繊維と筋膜

Posted by 日本カイロプラクティックフィジシャンズ協会 清水武志