筋・筋膜性歯痛体験談

昨年秋から今年の3月に掛けて院長自身の身に歯痛に関する興味深い出来事が起こりましたので皆様と情報共有しておきたいと思います。結論から申し上げますと「虫歯でなくても歯は痛くなりますよ」と言うお話です。
始まりは外れた銀歯から
今回のお話は昨年秋に私の左下奥歯の銀歯(詰め物)が食事中に外れた事に端を発します。そこで20年近くお世話になっている歯科医院を訪れ、外れた銀歯を再利用する形で処置をしてもらいました。
処置をしてもらい噛み合わせの最終チェックをした際に私の心の中で「外れた銀歯を再接着しただけだし少し違和感が残っているけどその内馴染むだろう・・」と、いつもなら嚙み合わせには比較的拘る方なのですが、なぜかこの時は曖昧な判断でOKとしてしまいました。
虫歯ではなかった
それから2~3ヶ月が経過し、12月に入った直後に秋に処置をしてもらった左下奥歯付近に痛みが出始めたので「今度は虫歯かな?」と思い歯科医院を予約しました。ところが診療日を迎える前から痛みは次第に左上の奥歯にも感じられる様になり、更に左顎関節からは開口時にクリック音が時折発生する様になりました。「これも左下奥歯の痛みの影響かな~」などと考えている内に受診日を迎えました。先生に確認をしてもらうと「特に虫歯や歯周病は見当たらないんだけど、強いて言うならこれかな・・」と言う箇所を処置してもらい、一旦様子を見る事に。

それでも続く歯痛と新たな対策
しかしその後も左奥歯の歯痛や顎関節のクリック音が続きます。「先生は虫歯も歯周病も無いと言っていたから筋肉(血流)の問題か・・」と今度は私自身で咀嚼筋(ご飯などを噛む際に働く複数の筋肉の総称)と開口する際や嚥下(つばを飲み込む動作)に働く筋肉の顎ニ復筋を中心に筋肉のコンディションを確認してみましました。
そこで複数の筋肉のトリガーポイント(筋疲労時に出現する圧痛点)に陽性反応(圧痛)が有る事が判明。筋肉の問題なら私の得意ジャンルです(笑)
早速、陽性反応が出ている筋肉をメインに関連する筋肉と併せてトリガーポイント治療を施す事、数日で当初の歯の痛みは無くなったのですが、どうにも少しばかり歯の付け根や表面に違和感が残っているのと、仰向けで寝ている時や軽く上下の歯を合わせようとする動作でも上下の歯の当たり具合に違和感を感じます。加えて左顎関節のクリック音も未だ残っています。
念の為2週間程度、痛みの無い右側の咀嚼筋も含め継続して左右で咀嚼筋を中心に緩めたりセルフで顎関節を矯正してみましたが違和感は残ったままだったので、再度噛み合わせの調整をしてもらうべきと判断し歯科医院へ。
噛み合わせの見直し
再び先生の元を訪れ、これまでの状況を説明し(歯科医院の先生は私の職業も知っています)再度噛み合わせを微調整してもらう事に。今度は曖昧に噛み合わせを判断せず、きちんと「ここだ!」としっくり来るレベルまで調整してもらいました。すると銀歯が外れる前の状態に近い感覚を取り戻す事が出来ました。
その後は・・
歯の痛みは勿論、違和感も完全に無くなり良好な状態になっています。改めて振り返ってみると以下の様な流れだったのかな・・と言う事になりそうです。
時間経過により銀歯の詰め物が外れる。
↓
銀歯を再利用してもらった際にいつもほど噛み合わせに拘らず「接着するだけだし、そのうち馴染むだろう」と噛み合わせを曖昧にしてしまう。
↓
噛み合わせを適当に済ませた事で当然周辺の筋肉や関節に余計な負担が掛かる様になる。
↓
次第に筋肉が悲鳴を上げ血行も悪化、歯にも痛みが生じる様に。
↓
歯が痛むので私が虫歯と思い込み歯科医院を受診。
↓
歯科医院を訪問するも「虫歯も歯肉炎も無し」と診断。
↓
その後も歯の痛みは続くので筋肉の問題でも歯痛が発生する事を知っている私が、これは自分の領域なのでは?と思う様になる。
↓
筋肉の緊張を緩和させて当初の痛みは無くなったものの歯の違和感と顎関節の問題(クリック音)だけが残る。
↓
私が適当に済ませた噛み合わせに疑念を感じ始める(笑)
↓
歯科医院の先生に再度噛み合わせを調整をしてもらう。
↓
銀歯が外れる前の感覚(噛み合わせ)を取り戻す。
↓
最後まで残っていた左奥歯上下の軽い違和感と左額関節のクリック音が解消する。
以上の様な流れを辿った次第です。

私の場合、咀嚼筋の中でも咬筋と呼ばれる下顎から頬骨に掛かる筋肉が上端部、下端部共に固くなっていました。
ちなみに咬筋の上端部の硬さは上の奥歯周辺に、咬筋の下端部の硬さは下の奥歯周辺に痛みとなって出現する形になります。

最後に
如何でしたでしょうか。この様に虫歯や歯周病が無くても筋肉の問題(血行不良)で歯が痛くなる事も有ります。
また詳細の説明はここでは割愛させて頂きますが不良姿勢に伴う顎関節の不具合に加えて歯の治療に伴う噛み合わせの調整次第でも顎関節に影響が出る事も有ります。
この記事を読まれていると言う事は何らかの噛み合わせの問題や原因不明の歯痛に悩んでの事と思います。
正しい噛み合わせに加えて咀嚼筋を中心とした顎周辺の筋肉を柔軟に保つ事で長引く症状が改善する事も有ると言う事を心に留めて頂けたらと思います。

